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コーナータイトル/今月の顔
畦地美江子(あぜち みえこ)さん

版画家・畦地梅太郎氏の長女。町田市鶴川在住 「あとりえ・う」館長、染織作家

畦地梅太郎作品:「山男」
畦地梅太郎氏作品「山男」(1953年)
 父である版画家・畦地梅太郎氏は1902年、愛媛県北宇和郡二名村(現在の三間町)に生まれ、1999年、96歳の生涯を閉じました。

 10代で上京して油絵を自習、やがて創作版画家として全国の山々や山男をモチーフに独自の世界を確立します。
 生あるものすべてに愛の眼差しを注いだ梅太郎氏の詩情豊かな版画作品は国内外の多くの人に高く評価され、親しまれています。また、その人柄から生まれた優しさとぬくもりのある随筆集も多くの愛読者をもっています。

 1976年には日本版画協会の名誉会員となり、1986年には三間町名誉町民に、1998年には町田市名誉市民になりました。

 その畦地梅太郎氏の娘さん・畦地美江子さんが、鶴川1丁目に「あとりえ・う」を開設しています。鶴川駅より歩いて8分。住宅の入り口に控えめに「あとりえ・う」と書かれた建物の奥から美江子さんの出迎えをうけました。 アトリエの中で、少しお時間をいただきました。

写真/畦地美江子さん
  「写真撮らせてもらえますか」とお願いすると、「私でいいんですか」と笑顔を返してくれます。

 話が始まれば、郵政民営化問題から福祉のことまで、父・梅太郎さんの思い出だけでなく、鶴川の住民としての話が広がります。

 「年をとって安心できる街がいいですね」「この、地域の人が分かってくれるようになりました」──4年目になる「あとりえ・う」が、少しずつ地域に浸透していることがそんな言葉からうかがえました。

  「リピーターの方が多いですね」──函館から東京に出てきたら、必ず寄ってくれる方もいらっしゃるとか。 「ここに来ると、ホッとする」──皆さんそう言われるそうです。

 確かに、アトリエの中で畦地梅太郎氏の作品に囲まれて静かな時間を楽しんでいると、「ここはほんとうに東京なのか?」という気になってきます。

 山男の絵を見ながら、父・梅太郎さんについて、
「“負けるが勝ち”──いつもそうでした。“お先にどうぞ”──そんな父だったと思います。本心はわからないけど、“あっちはあっち、わしはわし”──そんな生き方だったんじゃないでしょうか」
 と語ってくださいました。 畦地梅太郎氏の優しいモチーフは、家族との関係でも生きていたようです。

 短い時間でしたが、会話するテーブルの上で、バンダナを巻いた「猫君」の背をなでながら、楽しい時間を過ごすことができました。

 外は暑い夏。畦地版画に魅了されながらかわした美江子さんとの会話は、一時の清涼感をもたらしてくれました。 畦地梅太郎氏の作品を多くの人に見てもらいたい──それが「あとりえ・う」を訪れた人たちの共通の思いではないでしょうか。

(2005/8 高嶋 均)

あとりえ・う入館料:無料開館日:木・金・土・日(月・火・水は休館、他にも不定期で休館の場合あり)開館時間:AM11:00〜PM4:00東京都町田市鶴川1−13−12電話:042−734−8586FAX:042−734−8187小田急線鶴川駅下車徒歩8分バス=鶴川駅より11・12番「センター前経由鶴川団地行」で「鶴川第二小学校前」または「鶴川1丁目下車」駐車場はありません

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